「大キライ」の恋。
---「よぉ、宜しく頼むな。」
原口豪が、怜に微笑みかけた。

「うんっ!アタシ料理得意だから
楽しみにしててヨ!」
「マジ?俺、カレーと焼きそばがいい!」
「あはは!ありがちぢゃん、原口ぃ~☆」


-(な、何?メチャ仲良くない??)-

2人のやり取りを遠めに見てた。


そんなアタシの感情を察したのか、
塔子がこそっと耳打ちした。


「あのさ、杏奈に言ってないけど、
実は怜、原口君狙いらしぃよ・・・」
「あ、そうなんだ・・・」
「あの2人、1年の時も同じクラス
だったらしぃしさ、あんま気にすんなって。」


「ほ~、そうだったんか、杏奈。
お前が・・・」

そんなアタシ達の会話を佑介が聞き耳を
立てて割って入ってきた。


「やだ~、武田君!盗み聞きィ?」
塔子に突っ込まれてるし。

「ちょっと、佑介!勘違いしなぃで!
アタシ、そんなんぢゃ・・・」
「だ~いじょうぶ!俺めちゃ口硬いし!」
「どこが!アンタ昔から口軽いぢゃん!」
「そんなにむきになるなんて、杏奈
分かりやすいなぁ!」
「ばっ・・・!馬鹿!佑介!」
「協力するよ、俺。お前らに。」
「マジで好きとかぢゃなぃんだって・・・」
「ハイハイ、分かったって☆あ~んりチャン☆」

アタシをからかいながら、佑介も
怜と原口豪の輪の中に入っていった。

(寄りによって佑介なんかに・・・)


肩を落としたアタシの肩をぽんっと
塔子が叩いた。


「ごめん、アタシ、言うタイミング
悪かったよね、まさか
聞かれちゃうなんて・・・」
塔子が申し訳なさそうにアタシにつぶやく。


「な、何言ってんの☆らしくないよ!塔子!
それにアタシ気にしてないしさ♪
大丈夫大丈夫、佑介は何とかなるって♪」


アタシは、塔子を励ました。


(そうよ、アタシまだ原口の事
好きだなんて思ってないもん!)


そう言い聞かせてた。


でも、何だろう。
この心の中の「もやもや」。


何に対して?誰に対して?
全然分かんないけど。


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