「大キライ」の恋。
4.「遅刻」
---「炊事遠足」の班割りを決める日、
アタシはいつものように家を出た。


アタシは電車通学だ。
田舎町に住んでいるけど、やはり朝は
満員電車になってしまう。


アタシは、電車が発車するギリギリに
駅に着いてホームを走って
電車に駆け込む常習犯だった。


ガシャン!
自転車置き場に、適当に自転車を置いて
アタシは駅を走った。


「・・・プルルルルルルル・・・」


あぁ~!!やばい!
それに乗らないとアタシ遅刻しちゃう!!
待って待って!うわぁ~、マジやばい!!


「プシュー・・・」


「ガンッ!!」


「・・・っ!!」


アタシに痛みが走った時、
また電車のドアが開いた。
アタシはふらふらと電車の外に出た。
戦意喪失っていうか、何て言うか。


そう。
ギリギリ飛び込んで、
ドアに顔を思いっきり挟まれて、
鼻血を出してしまったのだ。


アタシの制服が汚れてしまった。
おまけに・・・。


「ほっぺ、痛い・・・。」


右の頬がじんじんする。
打撲って感じの鈍い痛み。


半べそかきながら、バッグから
ティッシュを取り出し、鼻に詰めて
1度家に戻って制服を
着替える事にした。


(もぉ、今日は遠足の事決める日
なのに・・・最悪だよぅ↓↓)


自転車置き場に戻って、アタシは
公衆電話から塔子のポケベルに
メッセージを送った。


「デンシャニノリオクレタ」
「キョウチコクシマス アンリ」


深いため息を付きながら
アタシは自転車を漕ぎ、家に向かった。
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