年下の君に愛されて、、、【長編】
『ててて…。やっと元気なった』
え?
何回悟の言葉にびっくりしてんだろ。
私はゆっくりつまんでた手をおろす。
『お前落ち込みすぎ』
つままれてた頬をさすりながら
少し目線を私から外して言う。
『俺にとっちゃこのシチュエーションなんて嬉しいけどさ?お前落ち込んでると一番嫌なんだよ』
まだ頬をさすってる悟は
言い終わった後チラッと私を見る。
シーン―…
と静まる部屋。
時計の針の音。
この静けさと針の音は嫌いなはずなのに
涙の海辺に乗りあがり岩に当たる音
が
かすかに耳に届いて胸が安らんでく。
『ずっと…気にしてくれてたの?』
『…当たり前だろ。俺が落ち込むんだよ』
『悟……。ありがとう』
悟に対して、昔はありがとうなんて
ちゃんと言ったことなかった気がする。
簡単に言うことは何回もあったけど
助けてもらった時からかな?