年下の君に愛されて、、、【長編】
亜優花のか細い声。
暗くて私が曲がって立ち止まった姿を
見られなかったのが救いかな。
壁伝いに聞いてしまってる状況に私の足は動かない。
『俺…亜優花ちゃんのことね…』
聞きたくない―…!
心で叫んでも足が動かない。
やめて―…。
『優衣花ちゃんが…好きなんだ』
『っ―…私も…です。私も好き…なんです!』
っ―……!
その言葉が私の全身を巡った瞬間私の足が動く。
息が切れるくらい私は無我夢中で
海のある方に向かって走り続けた。
なんで―…
なんで―……
そんな思いだけが私の頭を支配する。
気づいてしまった時、
気持ちを聞いた時、
分かってしまった時、
それなんかじゃ比べものにならないくらい
突きつけられた現実が私の胸に突き刺さる。