年下の君に愛されて、、、【長編】
さっきまでは少し明るく光ってた海も
暗くかすかに月の光で光るだけ。
涙の音が異様に胸に響いて
気持ちを増幅させる。
腰を下ろしてただ音を聞いてるだけ。
厚着をしてるのに関わらず冷たい風が吹く。
『さみぃなぁ~…』
早く来ねーかな。
なんてそんな事をずっと考えてた。
トン―……
冷え切った背中に伝わる温もりが
俺の鼓動を早くさせる。
『優衣…花?』
お腹へと回ってる小さな手がするっと離れる。
離れた手と同時に俺も後ろを向いた。
『悟…私振られてきた。伝えてきたよ?ちゃんと』
泣いてると思った。
泣いてたらギュッと抱きしめて
“頑張ったな”って言おう。
ヒーローみたいな感じでかっこつけたりなんかして
守ってみよ。
そう決めてたけど。
笑顔で俺を見る優衣花が目の前に居るから
少しばかりびっくりした。