年下の君に愛されて、、、【長編】
だってほっとけないじゃん?
傷だらけなんだし
それに一応好きな人の弟なんだし!
『ごーいんなんだよお前』
まだ不機嫌な悟を無視して、
家の鍵をあけて中に入る。
お母さんとお父さんは共働きで、
お父さんはよく出張に外に行く。
兄弟はいないから、
小さな頃からよく一人だった。
その時に一緒に居てくれたのが
徹くんなんだよね。
『はい。キズ見せて?』
棚にあった手当て箱を持ってきて、
悟を部屋のソファーに座らせる。
悟はツーンとそっぽを向く。
な…生意気。
我慢、我慢よ優衣花。
無理矢理連れてきたのは
私なんだから。
『ほら早く』
私は強引に顔を向けさせると、
薬のついたガーゼを、
痛そうに赤くなってる頬に当てる。
『っ…でぇ!』
痛がりそっぽを向こうとする悟を
無視して、傷に薬を塗っていく。
ちょっと可哀想だけどね…?
でも、喧嘩したのかな
ふと思ったことを悟に聞いてみた。
悟は少し黙ったあと
そーだよ
とぶっきらぼうに答えた。
『やっぱり。喧嘩ばっかして、バカだね』
『るせー…』
私の言葉にまたそっぽを向く悟