年下の君に愛されて、、、【長編】
私の大好きな人 side優衣花
『…衣…優衣ー?』
目の前でチラチラと動く手に、
ピクっと反応する体。
『亜優花…。なに?』
『なにじゃないよ~ずっとボーっとしてるもん今日。』
心配そうに座ってる私を
のぞき込んで見てくる亜優花に、
大丈夫だよ?
そう言ってニコッと笑う。
大丈夫。
な訳ないよ。
あんなことがあって、
大丈夫なわけないじゃない。
なにが起きたのか分からなくなって、
ただ悟を見つめることしかできなかった。
あの日、
悟は何も言わずに家をでていった。
その背中を
見えなくなるまで見つめて、
見えなくなったあと、
その場にしゃがみこんでなぜか…
目から一粒だけ涙を流してた。
あの日から悟とは会ってなくて、
姿も見なくて、今日で一週間。
悟は今、
何をどう思ってるんだろう。