愛想人〜アイオモイビト・先生〜
「遥…いや、嵩端先生………」
ここは学校。
いくら滅多に、誰も来ない棟の空き教室だからっていっても用心は必要だ。
にしても今さっきの言葉…イヤミが含まれているような………。
「別にモテモテなんかじゃありませんよ。 たかが一回くらいの告白で。 それに盗み聞きですか? 趣味が悪いですね」
あぁ…ケンカとかしたいワケじゃないのになんでこう突っ掛かるような、可愛くない言い方しかできないんだろ?
あたしのテンションはマイナスメーターを振り切りそうだ。
「盗み聞きじゃない。 資料が必要で探しに来てたところにおまえ達が来たんだ。 だから趣味悪くなんてない」
わぉ…しかも言い返されちゃったよ。
そのあとはギャーギャー言い合いをして昼休みが終わった。
なんか…今日の遥都さん、意地悪だったな。
学校で二人っきりの時もそれなりに意地悪だったけど今日は夜並に意地悪だった…。
…夜。
ボンッと音がしそうなくらいの勢いで頬が朱くなり、ヒンヤリとした机に頬をつけて冷やそうと試みた。
その行動を意地悪顔の先生が見ていたなんて知らずに…。