愛想人〜アイオモイビト・先生〜
学校
痛い腰を押さえながら靴を履き変え、教室へと向かう。
いつも以上に激しく抱かれ、いつもより多く肌を重ねた。
あの時は快感に身を任せていたから全然分からなかったけど…終わった後に鏡を見てみると首筋から鎖骨、胸元まで紅い華が咲いていた。
いつもは跡なんか残さないのに………。
不思議でたまらなかった。
たくさんの華はあたしの白い肌にクッキリと映えて…絆創膏でも隠しきれない量だった。
今日が休みならまだしも学校。
せめて鎖骨から下ならまだ隠す術(すべ)があったものの首筋にたくさんとなったら無理だ。
隠しきれない。
腰の痛みと首筋にハッキリと映る紅い華は嫌でも昨日の情事の激しさを物語っている。
学校なのに跡をつけたことを恨みます…先生、いや、遥都さん。
「ちょっ!! その首、一体どうしたの!?」
教室に入って第一声がこの声。
あたしの友達の緋依だ。
しかもかなりでかい声で騒がしい教室も静まり返りこちらに向く、という始末だ。
緋依がそう言いたくなるのも分かるんだけど…もう少し声のボリュームを下げてほしかった。