愛想人〜アイオモイビト・先生〜
何もかも、遥都さんのせいだ!!
イラついて手に力が篭(こも)っていたみたい…。
バキッ
静かな授業の中、あたしの手元で鈍い音がしたし…教室中に響き渡った。
もちろん、皆があたしに注目。
あたしの手の中にはシャーペンが真っ二つに折れて少しの破片が残っていた。
あぅ…お気に入りのだったのに。
泣く泣く違うシャーペンを手に取り、板書写しを再開した。
「シャーペンを真っ二つに折るのにはさすがに笑えたな」
クスクスなんて可愛らしい笑いじゃない。
大笑いと言った方が正しいかもしれない。
ここは理科準備室。
準備室で、しかも理科という教科なのに防音室になっているここ。
だから相当な大きな音、もしくは声でないと外には聞こえない。
シャーペンを真っ二つに折った時間は運悪く、理科の授業だったのでバッチリと目撃されていた。
頬を膨らませ遥都先生に背を向けてご飯を食べた。
なによぉ…。
もとはといえば遥都さんがあたしにキスマークをつけたりなんかするからこんなことになったっていうのに………。
心の中で文句を言う。