愛想人〜アイオモイビト・先生〜
自覚をしたのは全然いいんだけど…このままの状態ってのもよくないよね。
まず遥都さんの気持ちも分かんないし。
遥都さんにとって…夢野先生はどういう存在なの?
もう昔のヒト?
それとも今も好きなヒト?
ねぇ…
遥都さんの想いを教えてよ…。
二人の現場を見てから一週間。
遥都さんを避けつづけてからも一週間が経つ。
そんなある日の放課後。
「一年生、雛瑞磨菜さん。 至急、理科準備室まで来なさい」
いきなりの呼び出し。
てか!!
これって職権濫用(しょっけんらんよう)に近くない!?
こんなことしちゃって大丈夫なワケ?
ため息しか出ないよ…。
「失礼します」
ノックと同時に声をかけた。
中に入ると長い脚を組んで、ご立腹…といった様子でいた遥都先生がいらっしゃる。
そんなに怒るような何かがあったのか?
と、とんちんかんな事を思いながらも呼び出された用件を尋ねた。
「あの…なぜ呼び出しされたんでしょうか?」
念のため敬語で聞く。
「オレの諸事情ってヤツ」
サラっと職権濫用を明かした。