愛想人〜アイオモイビト・先生〜

苦笑いしかできないあたし。


そんな微妙な空気の中を破ったのは…ドアの音だった。




「あ、遥くん、やっぱりココにいた!! って…生徒さん?」


ドアを開けたのはあたしを悩ませている原因でもある夢野先生。


やっぱり遥都先生のことを遥くんって呼んでる…。


親しい仲じゃないとそんな呼び方を許しそうにない遥都さんだから余計に悩むんだ。




「ちょうどいいタイミングできたな」


ちょうどいいタイミング…か。


ここですっぱり言われちゃうのかな?


付き合うことになったって…。


そんなの嫌だよ。


まだあたし、自分の気持ちを一つも伝えてないのに…。


「やっぱり夢野とは付き合えない。 改めて確信したんだよな。 オレの好きなヤツは他にちゃんといるって」


まっすぐに言った遥都さん。


だけどね?


その言葉に傷ついたのは夢野先生だけじゃないんだよ?


あたしも…


あたしも遥都さんが好きだから…


傷ついたんだ………。


胸が締め付けられるような感覚になる。


遥都さんには好きなヒトがいたんだね…。





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