愛想人〜アイオモイビト・先生〜
もう、遥都さんとはサヨナラをする。
いつまでもこの状態を続けていくワケにはいかない。
完璧に先生と生徒に戻るには時間がかなり必要だけど…それでも、今のままではいけない。
だから…明日でサヨナラ…。
サヨナラを決意した次の日。
そう、サヨナラをする日。
だから…放課後の呼び出しに応じた。
すんなりと了解したので遥都さんは拍子抜けしていた。
そんな姿に愛しさが込み上げたがそれも、思い出に変えていかなきゃね?
「呼び出して…悪かったな」
あたしとは視線を合わせず、窓の外に視線を向けている。
最後くらい、横顔じゃなくって…正面からの真剣な顔が見たかったな。
なんて思う自分に思わず苦笑い。
諦めることはできないけど…遥都さんの恋は応援するね。
こんなこと、まだ言えないけど…今言える精一杯の気持ち。
「遥都さん…ありがと。 それとサヨナラ」
静かに一粒の雫を理科準備室に残して去った…。