愛想人〜アイオモイビト・先生〜
それから自己紹介をして驚かれた。
どうやらこれから高校生になるとは思ってもみなかったみたい。
大学生の人もいればもう社会人として働こうとしてる人もいた。
………。
騒がしい中、あたしはそっと抜け出して外に出た。
「磨菜ちゃん、外って…冷えない?」
夜空を見上げていると突然、後ろから声をかけられた。
振り向いて誰か確認する。
えっと…
「遥都(はると)さん」
だっけ?
自己紹介を思い出しながら相手の名を呼んでみる。
「お、覚えてくれてたんだ?」
ニコニコと人懐っこい笑顔を見せながら問いかけてくる遥都さん。
「えぇ」
笑顔を返しながらまた夜空へと視線を向けた。
穏やかな空気と心地好い沈黙が流れる。
「な、抜け出さないか?」
フワッと甘くて大人っぽい香りがしたかと思うと抱きしめられて、耳元でそう囁かれた。
この時、あたしは酔ってたのかな?
お酒じゃなくて…この甘いような雰囲気に。
無意識のうちにOKをだしていた。
そこから始まった、あたしとアナタの秘めやかなカンケイ。