愛想人〜アイオモイビト・先生〜

前までは躊躇(ためら)いなく開けられていたドア。


だが、あのカンケイを終わらせてから一度も来ていない。


いや、正しくは来れなかった。


あたしは…辛くなるのがいやで今でも逃げているんだ…。




ってアレ?


緋依と聖羅がいない。


辺りをキョロキョロと見回してみるが人影が一切ない。


あたし、無意識のうちにここに来てたからどこに二人がいるのかも全く検討がつかない。


………。


①探しに行ってこの呼び出しを放置する


②探しに行かずこの呼び出しに応じる


③探しに行かずこの呼び出しも放置する


この三択があたしの頭の中に浮かんだ。


この呼び出しに応じたら…何かが変わりそう。




「もしもし、聖羅? 今どこ? てか緋依いる?」


結局、③を選択して電話をかけている。


「んぁ? 磨菜か。 今、家。 てなワケで緋依はいねぇ」


あら、早い帰宅ですこと。


「そっか」


とりあえず適当に返した。


「こんな時間にかけてくるってことは結局、理科準備室行かなかったんだ?」


!?!?!?


バレてる…。





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