愛想人〜アイオモイビト・先生〜
アイシテル
遥都とカレカノになっての時間は本当に早く過ぎる。
この前、高校に入学したと思ったらもう三年生になっている。
しかもすでに冬。
あともう少しで高校生活も終わりだと思うとなんだか寂しい。
「磨菜」
緋依と聖羅に呼ばれて振り向く。
そこには硬(かた)く繋がれた手。
そう…。
この二人付き合ってるんです。
喧嘩が絶えないらしいけどそれでもすぐに仲直りするみたい。
仲よさ気な二人を見て…
「あたしもイチャイチャしたい」
と思わず言ってしまった。
言った後に後悔。
二人に聞かれてないかと恐る恐る見上げれば満面の怪しい笑顔。
あぁ…聞こえたんだ………。
がっくりとうなだれる。
「磨ー菜」
と緋依。
「明日、報告待ってる」
と聖羅。
って言ってどこかに行った二人。
すみません、聖羅。
報告ってなんの!?
一人で自問自答を繰り返していると後ろから抱きしめられた。
「磨菜…」
愛しそうにあたしの名前を呼んでくれる最愛のヒト。
しかしこの後の発言にあたしは頬を真っ赤に染めた。