愛想人〜アイオモイビト・先生〜
微妙な報告で渋る二人をなんとか納得させたあたし。
桜が咲きはじめている。
そういえば…遥都に出逢った頃にも桜が咲いてたっけ…。
桜の木を見上げながらふと思い出す。
今日で教師と生徒って関係も終わり。
短かったようで長かった。
卒業証書を片手にみんな騒いでいる。
三年間、遥都があたしの担任。
そして最後のHRが始まった。
いつもなら聞き流しているが今日は真面目に聞いた。
みんなもそうだった。
だが最後に先生としての言葉ではなく、遥都(男)としての言葉…爆弾発言…を言い放った。
「最後に!! 磨菜、愛してる」
しばしの沈黙。
言われたあたしはお湯が沸かせそうなほど体温があがり、真っ赤になった。
遅れてのみんなの反応は冷やかしだった。
でも、やられっぱなしは性に合わないあたし。
だから…
「あたしの方が遥都を愛してる」
って言った。
遥都もあたしの言葉にビックリしたのか珍しく頬を染めていた。
これからも…遥都だけがあたしの
愛想人〜アイオモイビト〜
【END】