すれ違い続けて
†汰衣夢†


「もう…終わったよな」
「拓…」

拓はうなだれていた。
灰皿から溢れ出ているタバコが、余計に拓を悲しくみせた。

「もうタバコやめとけって…」
「うるせぇよ!!」

止めても、拓は何本目か分からないタバコに火をつける。

「美九ちゃんに謝れよ。まだ間に合うって」「もう遅ぇよ…。あいつ、泣いてた」

拓は目に涙を溜めてうつむく。

「…わかった。俺が連れてきてやる」
「は?」
「美九ちゃんここに連れてきてやる。お前、そこで待ってろ」
「おい!汰衣夢!!」

俺はそのまま家を飛び出した。
あいつらを別れさせたくなんかない。
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