変わりゆく空の色

一人ずば抜けて上手。絶対経験者だ。

私は近くにいた幸希に声をかける。

「私キーパーとかできないから」

「じゃあなんでここ来たよ?(笑)」

「ボール蹴るのはもっとできないから」

「お前サッカーやる資格なし!」

「きついお言葉・・・」

しょうもないやり取りをしていると

多樹がこっちへ向かって来ていた。

「シュートーーー!」

海夢の叫び声と同時に多樹が勢いよく

シュートを決めた。と思ったら

バシッ!

「いってーーー!」

私の足に直撃した。

「何やってんだよー!お前何経験者が

誇叶ちゃんに止められてんの!」

海夢のブーイング。

止めたっつーか当たっただけだけどね。

「絶対決まったと思った」

多樹が落ち込む。

すると先生が来た。

「はいはい、ゲームは同点で終了!

遅いから今日はもう帰りな。

明日卒業式なんだから」

みんな口を尖らせながら渋々変える支度

を始めた。

門まで出ると、突然優真に声をかけられた。

「こいつ、多樹だから♪」

そういいながら、多樹を連れてきた。

「さっきも聞いた」

「顔ちゃんと覚えとけー」

なんだそれ。

「わかった」

「イケメンだろ☆」
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