second〜切ない恋の物語〜
ゲームセンターに入ると、

正面から右に、UFOキャッチャーが何台もあった。

その中で、私がコレがいいと言ったのは、

一回200円もする犬のぬいぐるみだった。

「またお前、高いやつを選んだなぁ〜」

「だって可愛いもん。」

「これ取ったらジュースおごって。」

「いいよ、何個でも買ってあげる!」



両替を済ませ、戦闘モードに入る。

惜しい所までは行くけど、なかなか取れない。

涼さんはムキになってるみたいで、

どんどんお金が消えて行った。


「もういいよ。」

「後少しだから、待ってて。」

「それ、最後ね。」

百円玉を持った涼さんの手を握り、宥めた。


最後のクレーンが動く。

狙っている犬のいい位置で、降りていく。

犬の胴体にガッチリはまったクレーンが、

ゆっくりと出口まで運ぶ。

「お願い!そのまま!」

二人はクレーンにくぎづけだった。

ぬいぐるみは、見事出口に落ちた。

「ヤッター!」

二人でハイタッチをする。

「いくら使ったの?」

「1600円。高いぬいぐるみだよ。」

「ありがとう!大切にするね。」


涼さんから貰う初めてのプレゼント。

それは、この犬のぬいぐるみだった。
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