second〜切ない恋の物語〜
「神野〜!」



奥から店長が私を呼ぶ声がする。

急いで奥へ行ってみると、

テーブルの上に大量のコーヒー豆があった。




「これ、仕分けするの手伝ってくれる?」

「はい。」

今朝届いた豆を、種類別に容器に入れる。

何も考えずにコーヒーを飲んできた私からすれば、

この仕分けは、よく分からなかった。



「コーヒーってたくさん種類あるんですね。」

「おぅ。味の濃さや香り、色んなのがあるよ。紅茶もそうだしね。」

「紅茶もするんですか?」

「紅茶は嫁がするんだよ。」

「へ〜、奥さんが。」

「今は妊婦だから、お休み中。」





作業に集中しだした時だった。

話を切り出したのは店長だった。
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