second〜切ない恋の物語〜
途中、何度かサービスエリアに寄り、

休憩を取りながら運転をする。



気付いたら、もう名古屋まで来ていた。

「きっと、すぐにバテるんだろうって思ってた。」

缶コーヒーを涼さんに渡す。

「だって、行きたいんだろ?神戸。」

「…うん。」

「莉奈が行きたいんなら、連れてってやるよ。」

いつものタバコの吸い方。
煙が目に入りそうになると、眉間にシワがよる。

片手に持った缶コーヒーを飲む姿に、

私の胸がキュンとなる。




別に神戸に行きたいんじゃない。

ホントに私の言う場所に連れてってくれるか、試しただけ。

わざと遠い場所を言って、

意地悪しただけ。



なのに、

涼さんはその意地悪に答えてくれている。

私、涼さんを嫌いになれない気がする。

忘れるなんて、出来ない。
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