second〜切ない恋の物語〜
「何かお探しですか?」

「あ…口紅を。」

「気になる色がありましたら、言って下さいね。」

「…はい。」



いい香り。

女の匂いだ。

化粧も上手で、スタイルもいい。

髪型もロングで少し巻き髪。

大人なのに、可愛さも感じる雰囲気。




店内にある鏡で自分の姿を見る。



私、子供だ…



目頭が熱くなるのが分かる。


「奈津美、助けて。」

「出る?」

「…」

「出ても大丈夫だよ。」



出たい。

だけど、今出たら負け。

そんな気がした。
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