second〜切ない恋の物語〜
店に出ると、店長は逃げる様に奥に消えて行った。



「今日、豆の発注日なんだよ。」

「あぁ、それでか。」



店長は、ブラジルへコーヒー豆を厳選しに行き、

二ヶ月ごとに、ブラジルへ発注をかけている。

もっと、他の味も探したいらしいけど、

そういえば、奥さんが妊娠中だから行けないと嘆いていた。




「十穀米ケーキ、食べたよ。」

「美味しかったでしょ?」

「あぁ、うまかった!店長、マジですごいよな。」

「そうだね。」

「敬語、やっと無くなった(笑)」

「あっ!店では駄目ですよね…すみません。」

「いや、いいよ。バレない様にするのも楽しいだろ?」

「…」
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