センチメンタル☆サクリファイス
バイトを終えて家に戻るのは、いつも、10時過ぎだ。

あたしの住んでいるアパートのまわりは、人通りがなくて暗いから、夜はちょっと怖い。


いつも、誰かに後をつけられている気がする。

気のせいだと思いたいが。


残念ながら、気のせいではない。


「ヒヒヒ」

と、気味の悪い笑い声をたてながら、今日も、ストーカー君が、私をつけている。


『いい加減にして!』

と、怒鳴ったこともあったが、ストーカー君は、私が怒るのが嬉しいようだ。

『怒った顔もかわいいですよ。ヒヒヒ』

なんて言われて、喜ばれてしまったので、それ以降は、無視することにしている。
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