センチメンタル☆サクリファイス
泣きたい気分だったから、思いっきり泣いた。


ドアの外からは、ストーカー君の歌う、愛の賛歌。


『あなたの燃える手で あたしを抱きしめて』


そう。本当。そうだよ。

先輩、あたしを抱きしめて。


『ただふたりだけで 生きていたいの』


そう。本当。そうだよ。

ただ、2人で一緒にいるだけで、良いんだよ。

あたしは、幸せなんだよ。


『ただいのちの限り あたしは愛したい』


そう。あたしは愛したい。

全身全霊で、愛してるよ……。



ストーカー君の歌……。

案外うまかった。


泣き疲れて、眠って、起きたら。

もう、歌はやんでいた。
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