センチメンタル☆サクリファイス
あたしは、何度かその手紙を読み返したあとに、ぐちゃぐちゃに丸めて、ゴミ箱に放り投げた。


彼女とペアリング……!?


そんなの、知りたくなかったよ。

17000円!?

ちょっと高くない?

それって、やっぱり、本気ってことだよね!?


彼女とはもうすぐ別れるって言ってたのは、嘘だったんだね。


そう。


嘘だって、知ってたよ。

だけど……

ほんの少しは、信じてた。

もしかしたら。

って。


嘘ばっかりつく先輩とは、早く別れよう。

こんな関係良くない。

って、

わかっているんだけど。


でも、


やっぱり、好きなんだよ。



その手紙を受け取ったあとに、猪苗代先輩とサークルで会ったら、

先輩の右手の薬指には、シルバーのリングが輝いていた。


ごっつい、変なやつ。

何かのブランドなのかもしれないけど、銀ばっかりたくさん使って、とてもセンスが悪かった。


もちろん、小梅先輩の薬指にも、同じ指輪。


『あなたの彼氏が浮気しています』

だって。

笑っちゃうよ。

彼氏だったら、どんなに良いか。

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