センチメンタル☆サクリファイス
サッカー中継が終わったのは、3時過ぎだった。


先輩がシャワーを浴びている隙に、カーテンをめくると、少年は、まだベランダの同じ場所にいた。



窓をあける。


「あんた、こんなところにいないで、早く帰んなさいよ」


「……」


「こんなの犯罪なんだからね」


「……」


「何よ」


「……せ……」


「何??」


「せっくす」


「は?」


「するんですか?これから?」


「さあね」


「う……ううう」


「早く帰ってちょうだい」


「騙されてるのに……」


「騙されてないわよ」


「どうして信じてくれないんですか?」


「うるさい。カーテン閉めるからね。覗いたら、承知しないよ」


「承知しないって、何するんですかぁ~?」


きもっ!


あたしは、黙って窓を閉めた。
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