センチメンタル☆サクリファイス
ストーカー君は、汚い顔して、泣いてる。



あたしの泣き顔を見ているみたいだ。


いっつも、あたし、こんな顔で泣いてなかったかな。


先輩に、実は彼女がいたと知った時も。


電話が来ない日も。


小梅先輩とおそろいの指輪を買ったと知った時も。



あたしとおんなじだ。

あたしが先輩を好きな気持ちと、一緒だ。


ひどく歪んだ愛だけど、ストーカー君は、あたしを強く愛している。


『ごめんね』

心の中でそう言いながら、あたしは、カーテンをしめた。
< 22 / 28 >

この作品をシェア

pagetop