センチメンタル☆サクリファイス
それから、顔を拭いてやって、おでこに、冷えピタを貼りつけた。

冷蔵庫のポカリも飲ませてやった。


はあ……。

何やってるんだろう。



「やよいちゃん、ありがとう……」

熱にうなされながら、ストーカー君が言う。


「今回だけは、特別だからね」


「良かった。無事だったんだ」


「え?」


「あんな嘘つきの腋毛野郎を家に入れるから、僕、心配で……」


「あんたが、ベランダでのぞいている状況のほうが、心配」


「僕は、やよいちゃんを守りたかったんだ」


「守れてないよ」


「やよいちゃんが幸せになることが、僕の一番の願いだよ」


「あんたがあたしの前から消えていなくなってくれるのが、一番の幸せかもね」

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