センチメンタル☆サクリファイス
「守ろうと思ってくれて、ありがとう」


「うん……」


「でも、もう来ないでね」


「え……」


「あたし、本当に騙されてないの。
知ってるの。
先輩には、彼女がいて、あたしが先輩の浮気相手なの」


「そうなんですか……」


「あたし、あんたが思っているより、強いよ」


「……」


「いつも、守ってくれようとしていたんだよね」


「……うん」


「大丈夫だからね」


「でも、僕、やよいちゃんがいないと、生きていけない」


「絶対、生きていけるって」


「僕、友達もいないし、勉強もできないし、趣味はやよいちゃんを見ることだし」


「スポーツでも、なんでも、何か頑張って、打ち込んでみなよ」


「運動も苦手です」


「あ。ほら、歌。うまかったじゃん」


「歌?」


「愛の賛歌、歌ってたでしょ。あれ、うまかったよ」


「そうですか」


「バンドとか、やったらどうかな?ほら、今流行ってるじゃん」


「う……うぅ」


「もっと、前向きに。ね」


「……はい」


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