センチメンタル☆サクリファイス
あたしは、無記名のその手紙を勢い良く破り捨てた。

全く。

失礼しちゃう。



あたしの名前は、小林やよい。

19歳。

ごく平凡な女子大生だ。

容姿は、自分で言うのもなんだけど、まあまあ良いほうかな。


渋谷なんかを歩いていると、必ずナンパされるし。


だから、言い寄ってくる男は、後を絶たない感じ。

しつこくデートに誘われたりすることも、よくあった。


無視してるのに、毎日メールを入れてきたり、毎晩電話がかかってきたり。

日常茶飯事だった。


ただ、今回のは、異常。

というか、異様。

異様としか、言いようがない。


いわゆる、ストーカー???


メールは1日20件。

無言電話が10件。


日によって、まちまちだけど、だいたい、そんな感じ。


さっきの手紙みたいなものも、たまに郵便受けに入っている。


切手が貼られてないから、直接ここまできて手紙を投函しているんだと思うと、ちょっと怖い。

ちょっとどころじゃなく怖い。

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