センチメンタル☆サクリファイス
大学の授業とバイトで、毎日忙しいし、こんなストーカーにまで目を付けられて、たまったもんじゃない。


でも、あたしにも、心の安らぎとなる人がいる。


背が高くて、優しい目をしていて、笑顔が素敵な彼。

猪苗代(いなわしろ)先輩。

テニスサークルとは名ばかりの、飲みサークルの新入生歓迎会での出会いは衝撃だった。


新入生歓迎会で、はしゃぎすぎて飲みすぎあたしは、いつのまにか、床でダイノジになって寝てしまっていた。

猪苗代先輩は、床の障害物として、邪魔者扱いされていた私をお姫様抱っこで、ソファまで運んでくれた。

ふわっと体が持ち上がって……

やわらかいソファの上に運ばれて……

『大丈夫?』

って、優しく頭を撫でてくれて……


あたしはその場で恋に落ちた。



ただ、問題が一つあって……

先輩には、2年付き合っている彼女がいた。


彼女の小梅さんは、華奢で可愛い人で、サークルの人気者だ。

猪苗代先輩と、小梅先輩は、サークル内でも、公認の仲。

私の取り入る隙は無いという感じだ。

と、

思われたが、

先輩は、結構私にも優しくしてくれる。


毎日メールをくれるし、たまにこっそりデートもしている。

それって二股!?

っていう突っ込みは無しの方向でお願いしたいところです。


いずれ、小梅先輩から略奪して、猪苗代先輩が私の彼氏になったら良いのにな……

なんて思いながら、毎日過ごしている。
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