先生…ごめん、愛してる。【完】
「城? 聞いてますか?」
「………」
「城っ!!」
大きい声で呼ばれて振り向いた。
「明日のお出かけの提案をしているんですけど……聞いてますか?」
婚約者・一ノ瀬(いちのせ あや)綾は、香取(かとり じょう)城に聞いた。
「すまない…考え事をしていた。」
「“何を”…考えていたんですか?」
綾は、聞いた。 いつものヤキモチだった。
「いや…いいんだ。
(あの娘……あんな事するようには、見えなかったけどな……。)」
城は、答えて話しに参加した。