先生…ごめん、愛してる。【完】
二人は、首を傾げる。
「そっかぁ…死んじゃったんだぁ。ふふふ…あはは……」
羚音は、狂ったように笑い出した。
「羚音、どうした!」
真矢も心配になってきた。
「…やっと……自由になれた…」
羚音は、言って立ち上がるとキッチンにある母親の酒を全て捨てた。
「羚音、大丈夫か?」
「…これからは、自由に生きれる。」
羚音は、言って静かに泪を流した。
夫婦は、羚音の生い立ちを調べることにした。
両親の“死”を喜ぶ子どもなど何かなければありえない。
ようやく少し羽ばたけた気がした。