先生…ごめん、愛してる。【完】
両親は、ショックが隠せなかった。
「すぐに移植待機者リストに登録される事をお勧めします。 いつまで羚音ちゃんの心臓が持つか…誰にも解らないのです。」
医師は、真剣に両親に伝えた。
両親は、奈落の底へと落とされて行く。 “倖せにしよう”と思っていたが…なんと浅はかだったか……。
「先生…どうしてこっちに?」
「棗…もう、先生って呼ばなくていい。」
ベッドのカーテン越しに城と棗が話す。 羚音は、点滴・心電図・酸素マスクを付けられ眠っていたが気がついて2人の会話を聞いていた。