先生…ごめん、愛してる。【完】
‡第29羽‡ 命の期限
みんな……
私は、何処までも…
「羚音ちゃん…さぁ、もう一口食べて。」
「要らない。」
羚音は、ベッドの背もたれに深くもたれる。
「羚音ちゃん…もう少し食べないと。」
看護師が言うものの羚音は、固く口を閉ざして食べてくれない。
「羚音ちゃん……また、あとでね。」
看護師は、言って出て行く。
羚音の病室の扉には、“面会謝絶”の札が下がっている。
羚音は、家族とカンケイを絶っていた。
―1週間後―
『羚音…傍に居るわ。』