先生…ごめん、愛してる。【完】
「…先生……逢いたいなぁ。」
羚音は、テラスで風に当たる。
「羚音、ただいま。」
「お帰り、棗。」
「体調どうだ?」
「もう…大丈夫……。ふふふ。」
羚音は、笑う。
「何、笑ってる。」
「こんなに心配されたの初めてだから。」
羚音は、言って笑う。
棗も微笑む。
「笑ってる方がいい。」
「何それ。」
二人は、笑い合う。
「羚音…犯人、知ってるだろう?」
「……棗…」
羚音は、口をつぐんだ。
「羚音…話せ。」