ブルー・フィールド
当然誰も居ないよな、と思い周りを軽く見渡したら……あ、伊藤部長がいる。
「おはようございます」
「おはよう。今日は私の勝ちだね」
いや、勝負とかしていませんが。
朝マックして皆を待つ間、部長に聞かれた。
「昨日、寺尾ちゃんの機嫌悪かったみたいだけど、何かあったの?」
さすが部長、よく見ている。
「ちょっと勘違いというか、行き違いというかありましたけど、もう解決しましたから大丈夫です」
「そう。それならいいけどね。ちょっと心配だったんだ」
「すみません」
「いいのよ、解決したのなら。ほら、恋愛のいざこざって結構修復不可能になりがちでしょ。まあ2人を見てると大丈夫そうだけど」
「ちょっと先輩! なんすか? 2人とか」
たしかに他の女子部員と比べれば親密度は高いが、それ以上はまだ先の話しなんだが。
「ん? まだきちんとコクったりしてないの?」
……いや、まだだけど。先輩達にはどう見られてるんだ?
「まあ見てる分には大丈夫みたいだからさ。さっさと押し倒しちゃいなさい」
「話が飛躍しすぎでしょ!」
しかし、部長まで気付いているってーのに、当の寺尾がどうなんだか、イマイチ掴み所が無いのが難点だよな。
ん? そういえば。
「部長は寺尾やあーちゃんと面識あるっていうか、同じ中学でしたよね?」
「うん、岬ちゃんは部の後輩だからよく知ってるわよ。寺尾さんは、顔は見た事ある、程度よ。SSでだけどね」
そうなのか。まあ過去を詮索する気はないし、それはそれでいいか。
しばらくして、昨日最後に来た瀬戸先輩と村山が到着。
「あれ? また浅野君がいる?」
だから! いちゃいけませんか?
「ところで、昨日は良かったわね。仲直りできたらしくて」
なんで瀬戸先輩が知っているんだ? と、詮索しなくても、バツの悪そうな村山を見れば判る。
まったく。しかたないか、一応居ただけだが、付き合ってもらったんだし。