ブルー・フィールド
次は社会だな。地理は現国よりは得意だし。
えーと、なになに。
『幻影旅団が排除(エリミネイト)で飛ばされた大陸は何大陸か?』
は?
『グランドライン後半は何と呼ばれているか?』
え?
『火影を長とする里の名前は?』
ふみっ?
『少年探偵団が活躍する地域は?』
これって地理の試験じゃなくね?
「え? 浅野君知らないの?」
「いや、これくらいは一般常識として知っている。が、これが期末試験に出るのか?」
「社会の先生、漫画が好きだからね」
だからってこれは『地理』じゃねーだろ。
一応選抜クラスらしく、村山とあーちゃんは手を止めない。
同じく選抜クラスの俺と寺尾は、まあ頭を抱えながらも、何とか解いていける。
だが、クラスが違うからか、妹北田はなかなか進まないらしい。
とはいえ、特に授業内容が違うはずもなく、進み具合も若干差があるが同じはずだが。
問題に集中できないのか、あっちを見たりこっちを見たり、視線が落ち着かない。
「何だ? 北田はそんなに男の部屋に興味があるのか?」
「え? 違うよ。うん、違う」
大切な事だから2回言ったわけじゃなさそうだ。
「あんまり見ないでよ。恥ずかしいから」
それは女の子が言うから萌えるであって、村山が言ってもキモいだけだ。
「なんか、お兄ちゃんの部屋と違って新鮮だなって思って」
「ふむ。では北田先輩の部屋というのは、もっと汚いというか、乱雑なのか?」
村山の部屋は本人の大人しい性格そのものに、落ち着いたというか、飾り気の無いというか。
壁にポスターとかも無いし、ガンプラも無ければレイやアスカ、ハルヒも居ない。
まあ京都や東京タワー等、旅行先のペナントが貼ってないのは予想外だが。
「お兄ちゃんの部屋は……男の子の本が多いし、隠しもしずにあちこちに置いてあるから……」
男の子の本? ああ、言葉を補足するなら多分男の子が好んで読む、簡単に言えばエロ本、の事だな。
「えー! 北田先輩ってショタコンなの?」
あーちゃん、それは違うよ