ブルー・フィールド
 
 カレーは食べ物か飲み物か? 若槻千夏なら飲み物扱いしそうだが。

 俺もあまり噛まずに飲み込む感じになるから、普段の3倍早く食べ終わる。

「あら。浅野君、だっけ。もう食べちゃったの? 女の子を食べるのとどっちが早いのかしら?」

 ちょっと! 母村山! 言い方下品! てか意味不明!

「ホントの事だしね」

 いや、食べてないし。性的にも食的にも。

「そうなの?」

 自分の立場を理解していない寺尾は問い掛けてくるし。

「というか、何故この場面であんな言葉が出てくるんだ?」

 村山家は、そんなボケのできる家系か?

「母さんには、いつも浅野君たちの話をしてるから」

 お前が元凶か!


 夕食を終えた後、再び村山の部屋へ。

 皆リラックスした態勢をとり休憩モードに入る。

「ご飯を食べたすぐ後に勉強は無理よね」

「そうそう、ちょっと話しでもしてましょ」

とあーちゃんと妹北田は言うが、普段から雑談ばかりしている気もするが。

「というか、ここで雑談モードを発動すると、そのあと勉強する時間は無くなると思うが?」

 今の時間は7時を過ぎている。いくらなんでも8時には村山邸を出ないといけない。

 あーちゃんはまだしも、寺尾や妹北田は痴漢に襲われたら抵抗できなさそうだし。

「私は痴漢にあってもいいって?」

 口に出してないのに何故分かる?

「いや、あーちゃんなら痴漢を逆痴漢して自分もよろこ……フベゴォ!」

 言い終わる前に、あーちゃんが投げたグラスが眉間に当たった。

「あーちゃん! いくらなんでも物をぶつけるのは反則だろ!」

「そうだよ、岬さん。空だからよかったけど、中がこぼれたら掃除が大変なんだから」

 村山よ。論点が違わないか?

「それにこのグラス、懸賞で当たった、結構レアモノなんだから」

 おい、グラスを能力者扱いか。

「ごっめーん。ついつい。でも村山君もいい年なんだし、アニメのグラスとか卒業しないと。ね?」

 今、あーちゃんは日本の高校生の二割(当社調べ)を敵に回した。
 
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