ブルー・フィールド
「条件? えっちなこと?」
おおい! なんでそうなる?
「違う! 条件は……」
あ、考えが追いつかない。何にしよう?
普通、条件といえば、ひざ枕とか、キスとか、趣味によっては下着をどうとか、カメラ小僧ならヌードモデルしろとか、もっといくと、18禁させろとかになるが。
いくら俺でも、そんな条件はまだ出さない。
「そうだな。条件の定番といえば、やはりお弁当、だろ」
うん、定番中の定番。
「お弁当?」
そんなのでいいの? 的な答えだが。
「寺尾が料理を作ると、台所が地震後のように散乱するとかはないよな?」
「そんなことはないよ! 私、得意科目が家庭科だし」
「なら大丈夫だな。明日は大会だから無理として、明後日の練習の日からだな」
元気良く言ったが、寺尾にはイマイチ覇気を感じない。
「もしかして嫌か?」
料理が得意である事と、他人に食べさせる事とは別だしな。
「あのね、浅野君に食べてもらうのはいいんだけど、みんなの前でっいうのが恥ずかしくて」
意味がイマイチ掴めない。
「あんまりお弁当にできるレパートリーが無いの」
レパートリーが無いのに、料理は得意? まあカレーやすき焼きなどは弁当には不向きだけど。
「ならばサンドイッチやおにぎりでもいいぞ」
女の子の手作り、ましてや彼女のお弁当なら、中味はなんでも構わないのは全国標準JIS規格だろ。
「それでいいの? じゃあサンドイッチ作ってくるね」
「ちなみに何サンドを作るつもりだ?」
大概のものは食べられるが、突拍子のないオリジナルサンドは勘弁願いたい。
「普通だよ。タマゴサンドとか野菜サンドとか、あとは、うどんサンドとか」
ん? 変な単語が混ざっていないか?
「うどん、と言ったか?」
「うん! 美味しいよ!」
普通にありえねー。
けど、寺尾が自信持って美味しいって言うんだ。何かあるんだろう。
「わかった。その辺りは任せる」
大概俺もチャレンジャーだよな。