ブルー・フィールド
 
 しかし今日は良い感じだ。入賞した後で気分も良いし。

 それにプラスして、夏の野外で飲む一杯、格別だな。

「その味を分かる浅野君って、結構オヤジじゃない?」

 最近何かと小バカにしてくる村山を軽く小突く。

「だから! 暴力反対だって!」

「安心しろ、今のは20%くらいの力だから、暴力には値しない」

「暴力に力加減は関係無いでしょ!」

 そうなのか? 初めて知ったな。

「いくら浅野君がバカだからって、それは酷いよ」

 またそうやって小バカにしやがる。

「村山は肉体的な暴力は許さないが、言葉の暴力は許すのか?」

 それが知らず知らずの内にイジメの発端となるんだぞ。

「ホントの事を言うのが、なんで言葉の暴力になるのかわかんないけどね」

 くっ! あーちゃんも言葉の暴力を使うか!

「大丈夫。そんなひろくんでも入賞できたんだし。ね?」

 だから、由美のフォローも言葉の暴力的フォローなんだって。

 とそんな話しをしていると、女子部員達が由美の元へ移動してきた。

「ねえねえ、告白ってどこでされたの?」

「浅野君、なんていってコクってきた?」

「あんまりロマンチックなセリフじゃなかたでしょ」

「浅野君だもん、ロマンチックを求める方が無理よ」

「それよりさ、コクってそのままチューしてきたりしなかった?」

「あー、それでそのままその場で押し倒されちゃったとか?」

「ありうる。浅野君は、デリカシーも無いもんね」

「けど、意外と由美ちゃんもその気だったりして」

「そう言えば昨日の下着……」

「あー! いつものクマさんパンツじゃなかったわね」

 ……えーと。何からツッコミますか。

 とりあえず、クマさんパンツはさすがに無いだろ。

 というか、皆すき放題妄想してくれるな。

 普段から俺の事をどう見てるか、これでよく分かりました。

 ま、会話自体は、酒が入るといつもの女子高生姿はどこへやら、みんな井戸端おばちゃんになるのは仕方のないことか。
 
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