ブルー・フィールド
 
 と会話をしていると、主である瀬戸先輩がこっちへ来る。

「なに、男二人で。エッチは話なら〜混ぜろ!」

 と兄北田にダイビング。

「おいおい、重いから」

と言いつつ普通に受け止めて……押し戻すんかい!

「いたい。北田っちの変態!」

 どこをどう取ったら変態プレーになるのか、若い俺にはわからないが。

 つか北田っちって言いにくいだろうに。

「まったく、瀬戸は酔うといつもこうだ」

 ってかそれを熟知してる高校生もどうかと思いますけどね。

 後が恐いから言わないのはチキンだからじゃない。場の雰囲気を壊したくないだけ。


「しっかし今日も良く酔っ払ったな、こいつら」

 兄北田が立ち上がる。

「どうするんですか?」

 今まともに立ち上がれるのは2人のみ。

 酔っ払って寝ているのが5人いるし。

 瀬戸&あーちゃんコンビは自力で歩けそうに無い。

「ああ、瀬戸ん家の人に手伝ってもらうさ」

 そう言って携帯を取り出し電話を始める。


 しばらくすると奥の方から3人ほどの屈強な男性陣がやってきた。

「ども!」

「どうも、いつもすいませんね」

 どうやら衣服から見ると酒蔵の従業員らしい。

 つかいつもって言われるほど顔なじみ、だろうな、さっきの話からすれば。

「それじゃ俺はお先に帰りますね」

 酒は残っているが、ここからなら歩いて1時間程度、酔い覚ましにはいい感じだし。

「何言ってんだ? 浅野も運ぶんだよ」

 やっぱり?

「浅野は寺尾をよろしくな。俺は妹運ばなきゃならんし」

「え!? なんで女の子を?」

「酔っ払いにはちょうどいい体重だろ?」

 ああ、そう言うわけですか。ってか女の子運ぶって、なんか照れるんですが。

「潰れてるからって変な所触るなよ」

 ……先輩、なんか従業員さんたちの目つきが蔑んでるように見えるのは、その言葉のせいだと思うんですけど。
 

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