ブルー・フィールド
夏休み突入
夏休みの風景
学校が夏休みに入ったとは言え、水泳部にとっては普通の土日と大差ない。
夏休みこそがシーズン本番だけに、猛練習の日々が続く。
夏休み中、プールの使用時間が平日と土日で違うから、練習時間も区別されている。
平日は午前中は補習・補講があり、午後はプールを一般生徒に解放する。
土日はそれが無い為、一日中水泳部の練習に充てられる。
水泳部の練習時間としては、平日は朝の9時から12時まで。午後は3時から6時まで。
昼からの一般生徒の時間帯には、藤木先生の手伝いとして、交代でプールの監視員をやる。
土日はそれがないから、午前中は9時から12時までで、午後が2時から6時までになる。
ただし、12時から2時の間には、他の部活をやっている生徒が、涼みがてらに泳ぎにくる事もある。
一番よくくるのは、お隣りになる野球部。次にバスケ部と陸上部。
と言うのも、この3つは顧問が体育教師だから、なんだが。
特権とでもいうんだろうか。
市大会の二日後、午前の練習を終え、昼休憩に入るが。
さて、問題は昼メシ、だよな。
由美が作るというサンドイッチ。それ自体は問題無いはず。
サンドイッチをまずく作るには、美味く作るより難しいだろう。
ただ寺尾家秘伝のうどんサンドなるものが、一体どんなものなのか。
今さらながら、うどんサンドを許した自分が、どれだけ舞い上がっていたか、と後悔するんだが。
「じゃあ皆、お昼ご飯食べて休憩ね。今日の監視当番は、北田君と飯島さんだから」
伊藤部長の指示をきっかけに、皆がプールサイドに上がる。
「ね、ひろくん、どこでご飯食べるの?」
由美が濡れた髪をディズニーキャラのハンドタオルで拭きながら聞いてきた。
「どこでも何も、いつも通りベンチでいいだろ」
土日の練習の時は、プールサイドのベンチや、プールサイドに直に座ったりしている。
「うん。じゃあお弁当、持ってくるね」
それはいいが、カレーうどんサンドとは、一体……。