ブルー・フィールド
あーちゃんの仕切りで部屋を借りる事になったが。
「てか、部屋借りたら高いんじゃないのか?」
海の家でも、場所代だけながら一日2,000円近くかかるのに、部屋を借りるとなると。
「3人で払うんだから、そう変わらないでしょ」
ん? 6人で来ているはずだが?
「いや〜悪いわね、私達の分まで」
妹北田まで意味不明な思考回路をしているぞ。
「ね、ひろ君、大丈夫?」
さすがに由美は俺の彼女さんだけあって、気遣いはしてくれるみたいだが。
「野郎3人で払う、っいうのは決定事項なんだな?」
「あったりまえ! ちゃんとお昼のお弁当作ってきたんだから」
あーちゃんの言う通り、昼飯代が浮くなら払うのは吝かではないが。
「俺の知る限り、作ったのは由美だけのはずたが?」
あーちゃんは口出しだけ、妹北田なんかは何をしたのやら。
「ちょっと! 私だってちゃんと作ってきてるんだからね」
と、妹北田は荷物から巾着を取り出した。
どう見ても一人分しかない大きさだな。
妹北田が中から弁当箱を取り出し、蓋を開ける……
「ちゃんと6人分あるんだから」
「それはそうだが、ゆで卵だけか?」
部屋を借りると言っても、そこは海水浴客相手。
六畳程の土間があり、その奥に同じく六畳程の板の間がある。
海岸へ持っていく必要の無い着替えやらを置いていけるのと、何より女性陣が気兼ねなく着替えられるのは利点だが。
「取り敢えず着替えるか」
そう言って馬場がいきなり服を脱ぎ出す。
「ちょっと〜、こういうのはレディファーストでしょ」
普通なら「キャー!」とか悲鳴をあげる場面で、普通に会話しているあーちゃん。
さすがに普段から上半身裸は見慣れているだけある。
「なら女性陣から先に着替えてくれ。どうせ男は5分とかからないし」
「覗いちゃダメだからね!」
「安心しろ。由美だけならいいが、妹北田やらあーちゃんの着替え見たら、酔いそうだから、覗く気にならん」