ブルー・フィールド
 
「さて、バカな話しはいいとして、そろそろ泳ぐか」

「うん、いこ、いこ」

 俺の言葉に、まるで小学生みたいにワクワクしている由美も続く。

 女性陣は着てきたTシャツをスルッと脱いだ。

 あーちゃんは白に黒のボーダーが入ったビキニで、下はスカートタイプか。胸の谷間部分に黒で大きなリボンが付いているのがポイントか。

 妹北田は青いワンピースタイプに、黄色い流れ星……どんなルー・ルカなんだか。

 まあこの2人は描写してもしなくてもどちでもいいが、さて、肝心の由美は……

 セパレートで、上はラメの入った薄いグリーン、下はパンツタイプで、腰の部分にリボンが付いている。

 なかなか可愛らしいが……

「やだひろ君、そんなじろじろ見ないでよ。恥ずかしいよ〜」

 見せる用の水着を見られて恥ずかしい、とはこれ如何に。

 女心は難しいもんだ。

「しかしあれだな。競泳用と違って、厚みがあるからか、少し成長してるように見えるな」

「厚み?」

 由美は一瞬戸惑いながら、次の瞬間、気付いたようだ。

 パッドのお陰で1サイズUPといったところか。

「も〜えっち〜」

 顔を赤らめた彼女さんに言われると、なかなかに萌えるもんだな。


 俺と由美が海へ歩き出し、あーちゃんと妹北田がそれに続くと、馬場が

「ちょっと待って。岬ちゃん達、サンオイルとか塗らないのか?」

と聞いてきた。

 馬場は水泳部というものを理解していないようだ。

「由美はもちろん、あーちゃんも妹北田も、毎日炎天下で肌晒してるから、いまさら日焼け止めとか必要無いんだよ」

「マジか! せっかくオイル塗る時に手が滑って……」

 多分、ラブコメ好きなら誰もが考えるパターンをぶつぶつ言ってるようだが、相手するのがめんどくさいので軽く無視。

「それにしては2人とも肌、白いね」

 木田はじろじろ、いや、ネッチョネチョした下心全開の視線を向けながら言う。

 由美は日焼けしない体質らしいし、あーちゃんも同じっぽい。

 妹北田も多少焼けているか? 程度には日焼けしているが、こんがり小麦色とはいかない。

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