ブルー・フィールド
オリエンテーリングとはよく言ったもので、要は単なる遠足なんだが。
高校生に遠足もないだろ、という事でオリエンテーリングなどと呼称するんだろう。
オリエンテーリングだから、制服ではなく、ジャージに着替えてから、校門の前に集合。
「みんな揃ったか〜」
バスを待つ君の横で先生は時計を気にしてる
と、春なのになごり雪を思い出すのは、まあ単なるネタだ。
「浅野君、一緒に座ろ」
そう言いながら村山が隣にきた。
「ああ。別にかまわんよ」
女の子じゃないのは癪だが、実際のところ、寺尾とあーちゃん以外の女子とはまだまともに会話をしていないから、隣にこられても会話に困るし。
「浅野君は平気なの?」
「いや、男が隣になるのは、あまり嬉しくはない」
「そうじゃなくて! あの……昨日の、だよ」
昨日? 何かあったんだろうか?
「気持ち悪いとか頭痛いとか」
ああ、酒の話か。
「全然無いな。6本くらいなら、朝メシ前だ」
「6本って。2Lだよ?平気なの?」
2Lとはいえ、缶ビールだし。
「2Lの内、5〜7%だろ? 100か200mlならたいしたことないじゃないか」
「その計算、なんかおかしい気がするけど」
そうか? 計算は間違えてないはずだが。
オリエンテーリングは、近所のキャンプ場へ行き、自然散策をやるらしい。
男女4人1組での班行動をしろ、と。
「つまり、ご都合主義として、俺、村山、寺尾にあーちゃんの4人で行動する訳だな?」
「うん! 頑張ろうね!」
寺尾はこういうのが好きなのか、ワクワクしている。
反対に村山はまだ二日酔いなのか、へばっているが、大丈夫かね?
「寺尾やあーちゃんは二日酔いじゃないんだな?」
見れば分かるが、一応確認。
「私は平気よ。あれくらいならね。由美は?」
「ちょっと頭痛いかな? でもバスで寝たから平気だよ」
二日酔いがバスで寝るって、普通、悪化しないか?