ブルー・フィールド
 
 我が水泳部の練習メニューは、まず最初にアップとして個人メドレーで100mを4本。

 その後、専門種目の練習に移り、1分サークルで50mを10本。その後に2分サークルで100mを5本。

 そして100mダッシュを10本。これは飛び込み無しで、水中スタート。

 次は個人練習で、不得意種目の練習や、潜水などを行う。

 その後、リレーの練習に入り、これは400mリレーで、だいたい2回か3回。

 最後に飛込みからスタートするタイムアタック。これは通常だと100や200なんだが。

「先生。俺は800泳ぐんですか?」

 100mなら大体1分3秒程度、200mなら2分10秒と言った所がマイペースなんだが、800mはタイムを取った覚えが無い。

 エントリー用紙にはベストタイムを書くはずなんだが、何分で書かれたんだろう?

「ああ、浅野はアップが終わったら、後は1コースでずっと泳ぎ続けてて」

「え? 泳ぎ続ける?」

「そう。800m延々と泳ぐ。リレーから皆に合流するから」

 なんかそれって練習メニューとは言えないんじゃないか?

「スタミナつける為には泳ぐのが一番効果的だから」

 先生はそう言うとあっちへ行ってしまう。

 本当にそんなんでスタミナ付くのか?


 アップを終わり、1コースへ移動する。

 とりあえず、現状のタイムを知る為に、一度泳いでみますか。

「で、あーちゃんが見張り役なのか?」

「なに? 不服でもあるの?」

「不服は無いが、あれだ。こういう場合はあまり出番の無い鷲見先輩とかが出てくる場面だろ」

 あーちゃんの方が話を進めやすいんだろうけど。

「やっぱり浅野君は細い方が好みなんだね〜」

 ……え〜これ以上は無茶振りされるだけだから、黙って泳いできますか。
 
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