ブルー・フィールド
 
「んっとさ、大塚って、2人から見て可愛いと思う?」

 突然の質問に2人とも顔を見合わせて、答え難そう。

「俺は水泳部で一緒だったから性格とか知ってて、仲良くしてたけど、知らない奴らには、ね?」

 ぶっちゃけるとぶちゃいくちゃんなんだが、人の事を言える顔でもないし、ソフトに言ってみる。

「三年で同じクラスになって、やっぱり同じ水泳部だから、最初から普通に仲良くしてたんだけど。
 それを見て、ほれ、クラスの中で、意味も無く騒ぎ立てる奴っているでしょ。そいつが、さ」

 思春期真っ只中の中学三年生、火の無いところに煙はたたない、どころか、火種が無いなら放火して煙を出してやるって感じだし。

「で、何となく大塚はその気になってて、それ以来何かって言うと、必要以上に寄ってくるだけだから」

 俺も大塚の性格は嫌いじゃないが、彼女とかそういう風には見れない。

 そもそも大塚は身長もそこそこあるし、体格もがっしり系。

 水泳部としては良いんたが、小さい女の子が好みの俺には、まず合わない。

 性格的には明るいし、おおっぴろげな性格だから、そういう面では男子からは重宝がられていたし、俺も嫌いではないが、それも友達としての感覚。

 残念ながら恋愛対象にはならない。

「でも、それだったら、中学時代にハッキリとしとけばよかったんじゃないの?」

 あーちゃんの指摘はごもっともですね。

「というか、中学時代からあんなやり取りがずっと続いていた訳ですよ。周りが囃し立て、大塚がそれに乗り俺が拒否る、と周りなり大塚が恥ずかしがるな、とツッコミ入れる、って」

 個人的に大塚を嫌っていればまだしも、人間性は嫌いじゃないから、無下にもできないし。

「でも裸を見せ合ったって……」

 そうだよ、大塚がこの爆弾を投下するから、寺尾も顔を真っ赤にしつ怒ったんだよな。

 こんな話、いい訳じみていて信じるかどうか分からんが、一応言うだけ言ってみるか。

「あの件は、あ、回想シーン出した方がいい?」

「そんなのいいから早く説明して!」

 なんだよ、こういう時の回想シーンは鉄板じゃないか。
 
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